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水夏 ~SUIKA~ 第三章「京谷透子」

水夏 ~SUIKA~ 第三章「京谷透子」


第二章はこちら



第三章

7月14日

水夏 ~SUIKA~

「あたしは茜!よろしくね!お兄ちゃん」
第三章の主人公である俺、柾木良和と、義理の妹茜の出会いのシーン。元気一杯の茜とは対照的に、後ろでもじもじしている引っ込み思案な透子。俺はそんな透子に一目惚れなご様子。茜に求められた握手に応じると、自分から透子に握手の手を差し出していた。俺はそんな行動に出ている自分に驚いた。

水夏 ~SUIKA~

突然の場面転換。俺はベッドに寝ているようだが、その隣に茜がいる。
「お兄ちゃん……抱いてよ」
そうか、第一章で近親相姦疑惑な兄妹がチラっと登場したが、こいつらのことか。

水夏 ~SUIKA~

と、ここまでは夢。俺は、美絵の兄である若林鏡太郎のカウセリングを受けている最中に寝てしまっていた。で、気分が悪いと言って、今日のカウンセリングは早めに切り上げて帰ることに。待合室では恋人の透子が待っていたが、そんなことも忘れてしまっている俺。精神的に病んでいるということでしょうか?

また、場面転換。今度は夜の病室。目が覚めた女の子だが、金縛りにあったように動けない。体の節々も痛む。医師らしい老人が現れ、傷の処置をしている。手首を怪我しているようです。自殺未遂ってことでしょうか?。その後、潮騒を聞きながら再び眠りに就いた。

7月16日

水夏 ~SUIKA~

「てりゃ~!!」
茜に元気よく叩き起こされる。今日は日曜だと思っていたが、どうやら丸一日寝てしまっていたようです。日付が一日飛んだのはそういうことか。一日何も食べてないので朝飯をたらふく食べる。俺の家は見た感じ相当裕福みたいです。しかし、一昨日見たエッチな妹の夢を思い出し、いたたまれなくなってしまいました。水泳の大会が近い茜を励ますが、次勝てば全国大会と聞かされて激しく違和感。今日の日付を聞かされて二度また違和感。何か意味がありそうです。髪の毛がボサボサの兄を見て、茜が世話焼き女房してます。
「そこまでしてくれなくて、いいよ。……透子じゃあるまいし……」
「あ……」
表情を曇らせたかと思うと、怒って行ってしまった。

水夏 ~SUIKA~

ここで、俺がこの村に来た経緯が語られる。俺の実母はあまりいい母親ではなかったようで、金欲しさに俺を今の父親に養子に出したらしい。俺が引き取られる日も、どこかに遊びに行っていたのだという。ひでえな。駅に着いたが、いつもは先に来ているはずの透子がいない。こんなことは初めてだった。数分遅れで透子が走ってきた。息を切らせている透子に、「真夏なんだから長袖はやめたら」と指摘したら、表情を曇らせた。前に俺が日焼けしない方がいいって言ったから長袖にしているらしい。
「ごめん。うん、確かに、透子は日焼けしない方が綺麗だよ。ほんとにそう思う」
「でも……茜ちゃんは、日焼けしてるよね……」
二章で出てきた時は、綺麗ないいお姉さんって感じでかなり好印象だったのに、こんなウザ女だったとはガッカリだ。どうみても、この二人に亀裂入りそうな雰囲気。てか、すでに入りかかってます。

あの病院に場面移動。目を覚ました女の子。ここは二宮診療所で、おじいさんは二宮さんという医者。どうやらこの女の子は記憶喪失になっているようですが、下の名前だけは覚えていた。「アカネ」だと。アカネって茜ですか?時間軸が違うのか?同名の別人でしたってことは話的にないだろうけど。このアカネと名乗る少女は、浜辺で倒れているところを運ばれてきたのだとか。で、運んできた女性があの千夏。おせっかいを焼いてはいつも後悔しているあの女です。

水夏 ~SUIKA~

大学から帰宅している俺と透子。今日は透子が料理してくれることになった。何が食べたいかと聞かれ、透子の好きなものでいいと言ったら
「私は……良和の食べたいものを作りたいから……」
とうなだれる。ここまで来るともうコントです。志村けんのコントに、こんなウザ女がいたようなw。仕方なくカレーを提案しておいた。買出しを終えた帰り道、またやってしまった。今日の大学の五限目は、俺が興味を持っている授業だった。透子は興味ないのにそれに付き合っている。疲れるから付き合わなくてもいいと言う俺だが、そんなこと言ったらどうなるかいい加減気付けw
「私は……なるべく一緒にいたいから……」
「……居るじゃないか。毎日一緒に」
「毎日一緒にいるのは茜ちゃんだと思う……」
当然こうなるわな。どうやら、俺達は一緒の医大に通っているようです。俺の父親は、常盤総合病院の院長で、俺はその跡取りを目指し、透子は俺を追いかけて。しかし、俺にも透子の主体性のなさを糾弾する資格はない。

夕食後二人はベッドイン。隣のあの兄妹もそわそわしているのでしょうか?しかし
「ごめん……」
良和の愚息は言うことをきかなかったみたいです。

7月17日

水夏 ~SUIKA~

今朝も茜に元気よく起こされる。顔色が悪いと指摘されたが、特に気分が悪いこともない。朝食を取っていたら、また茜の淫らな夢を思い出してしまった。今日も透子は遅刻だった。ちょっと病院に寄ってみたら、若林先生がいたので会話する。駅に戻ると透子がいて、俺が怒って先に行ってしまったのではと思いオロオロしていた。で、透子も俺の顔色が悪いと言っているが、このゲームのパターンからすると、不吉すぎます。

病室へ。アカネは暇だったので、先生についての話を聞かせてもらった。先生は独身だったが、寂しいと思ったことはないんだと。自分には耐えられないというアカネに、若いと人の嫌なところに気付かないからだと言う。そこから話は戦争体験話へと発展していった。それによって、人間性や愛などというものを信じられなくなったと。それでもアカネは
「有るよ。真実の愛って、きっと有るよ」
さすが、成分の80%が恋愛でできている乙女です。それまで強張っていた顔を崩す老先生。その後他愛もない話をしばらくしてから、先生は席を立った。
「私は……真実の愛とは、酷く畸形的なものだと思うのだ」
去り際に突然、暗いトーンで切り出す老先生。その後も乙女に聞かせるような内容ではない話を続けていました。

帰宅した俺は、インポチェックのため、クローゼットにしまい込んでいたエロ本を引っ張り出した。ビンビンだった。透子と付き合ってから、俺は一人エッチをしなくなった。欲求を感じなかったこともあるが、透子が酷く嫌がるからだった。透子は疎外されている感じがするからと言っていた。てか、この二人はオナ二ーの是非について真剣に語り合ったことがあるらしいw。と、そこへ突然茜が乱入。体当たりされてベッドに仰向けになった俺に馬乗りになる茜。固くなった暴れん坊が妹のお尻にでも当たってキャーな展開かと思ったが、それはなかった。茜は改めて水泳大会への応援を確認しに来ていた。その大会は地方大会なのだが、俺には県大会の時の記憶がない。その日は約束があってどうしても無理だと応援を断ったらしい。約束の相手はどうせ透子だろうと言う茜ですが、それも覚えていなかった。

茜が部屋を出て行く時に、「自分がエロ本を読んでいたら嫌か?」と尋ねてみる。茜は
「別に、嫌じゃないよ。だって、男の子なんてそんなもんでしょ」
とあっけらかんと答えた。その後、透子に電話して確認してみたら、確かにあの日、俺は透子と会っていたらしいです。考えられるとしたら、あの入院しているアカネは茜で、その茜の自殺に責任を感じてその近辺の記憶を失ったとか、で、精神的におかしくなって、居もしない茜と会話しているみたいな。このゲームならあり得る。

7月18日

水夏 ~SUIKA~

ごろごろ~
ごろごろ~
今朝は茜にごろごろされながらの起床。いつもベタベタしてくる茜に、他の男子にもこんなことしてるのかと聞くと
「やぁだ、そんな訳無いじゃん。お兄ちゃんだけだよ」
俺は安堵と喜びを感じ、ムラムラしてしまうのであった。

三日連続で遅刻してきた透子。訳を聞いてみると、最近朝起きるのが辛いのだという。いつもは透子は絶対自分より先に待ち合わせ場所に来ているのだが、その理由を聞くと
「たとえ少しでも良和が待つくらいなら、私が……と思って」
嬉しくなって人目をはばからず透子を抱きしめ
「好きだよ……透子」
と囁いた。実は、俺が言葉で気持ちを透子に伝えたのはこれが初めてだった。よくそれで二人が付き合うようになったなと疑問に思ったが、茜がキューピッド役になって、二人を繋ぎ合わせてくれたという事実を透子から聞かされました。

病室へ場面チェンジ。暇潰しに小説が読みたいというアカネだが、もう少し回復しないとダメだと言われる。先生がSF小説が好きだと言うと
「ふうん……フィリップ・ディックとか?」
と思わず口に出してハッとするアカネ。どうやらアカネもSF小説が好きだったみたいです。手掛かりになるかもと、先生が何冊かの小説を持ってきたが、それ以上思い出すことはなかった。

ベッドの中の俺と透子。しかし、今日も俺の愚息はウンともスンとも言わなかった。夜中、俺は眠れずに考え事をしていた。かつて母親と見知らぬ男性の情事を見てしまったトラウマを。不意に妹とのエッチな夢を思い出し
「くだらない」
と何度も言い聞かせるのだった……

7月19日

水夏 ~SUIKA~

今日は透子に起こされて目覚める。いつもは茜に起こされてるからちょっとビックリしたと言うと、一気に透子の顔色が変わった。昨日はいい感じだったが、相変わらず扱いが面倒な女です。透子は目覚ましでは起きられないのかと聞いてくる。無理だと言う俺に、茜の体を触りたがる癖を糾弾してきた。俺は呆れながらも、茜にきつく言っておくと約束して、どうにか場を収めておいた。
「全く、妹に嫉妬する奴が居るかよ」
と文句垂れると
「兄妹といったって、生まれた時から一緒では無いわ。ましてや、血が繋がってはいないもの。あなた達二人は、ほとんどーー他人じゃない」
地雷が炸裂しました。
「黙れ」
と叫ぶ俺の声に我を取り戻して謝る透子だが、時既に遅し……

病室へ。どうやらアカネが見ている夢は、男女のまぐわいでした。起きるとまた泣いていた。先生に夢の内容を聞かれて、恥ずかしながらも告白。何も分からなかったが、恐らくその男性にアカネは恋をしていたという推測は成り立った。先生は、それが願望、或いは実際に見た光景じゃないかと指摘した。と、
「アカネちゃん、あの人は、私の事をどう思ってるのかな?」
そんな女性の言葉が頭の中に思い浮かんだアカネ。少し記憶を取り戻したようです。その女性はアカネにとっても大切な人で、恋していた男性の心の中をとても気にしていて、顔色ばっかり窺っていたのだという。これって明らかに透子のことだし、つまりアカネはやっぱり茜かな?ん~混乱するから深く考えずに進めていくか。

その男女二人が、自分にとって大事な存在だったというアカネに
「三角関係……か?」
と先生が言う。その言葉はアカネの心にズキンと響いたのだった・・・

水夏 ~SUIKA~

帰り道、今朝のことを引きずって距離感のある俺と透子。俺は黙って透子の手を握った。別れ際、透子は明日と明後日は親戚の葬式があるので会えないことを伝え
「今朝はごめんなさい……。私、ちょっとどうかしていたわ」
と謝った。泣き出す透子を抱きしめながら、俺は彼女に対して優位に立っていることを実感していた。俺はそんな自分が嫌いなのであった。

帰宅すると茜が話があると言ってすぐに部屋に入ってきた。早速ベタつく茜に、今朝の透子との約束を実行する。
「この際だから言っておくけど。あんまり、人の体に触っちゃだめだろ」
お兄さん、きつく言い聞かせるはずでは?
「お兄ちゃん……もしかして、嫌?」
と言われて
「……別に、嫌じゃないさ」
とあっさり白旗。おい!

一方、茜の話とは、明日と明後日、一緒に海に行こうということだった。透子にも電話したが、葬式で来れないことは確認済みでした。部屋から出て行く時に
「透子お姉ちゃん……可哀相だね」
茜にそう言われて、ドキっとする。茜は「海のことだよ」と言っていたが、俺が透子に言われて「体に触るな」と言ったんだと気付いているっぽいな。

7月20日

水夏 ~SUIKA~

今日は茜と海へ行く前に病院でカウンセリングを受ける。用意周到な茜が事前に電話して診察の日をずらしてもらっていたのだ。
「茜に……妹を欲しているようなんです。……その、ひとりの女性として」
と、若林先生に激白。そして、茜とエッチしてしまった夢のことも。しかし、カウンセラーは導師ではないので、どうすべきなのかは自分で考えなければならない。俺は、透子に対してインポになったことも話そうかと思ったが、それはやめた。若林先生は、かつて透子に恋していたことがあったのだ。

家に帰ると早速出かけることに。俺は少し休みたかったが、茜に強引に連れ出された。駅まで走る二人。ようやく駅に到着したところで財布が落ちてしまい、中身が散らばってしまった。
「お兄ちゃん、早く!」
見知らぬ青年がお金を拾うのを手伝ってくれた。第一章の冒頭にあったシーンです。この青年は彰。

病室へ。予想以上に回復も早く、小説を読むことも許された。一息入れて外の景色を眺めると、眼下には青い海が広がっていた。
「ーー泳ぎたい!」
アカネは強烈にそう思った。早速先生にそのことを伝える。すぐにでも泳ぎたかったようだが、さすがにそれは却下された。徐々に記憶も取り戻しつつあるようで、アカネは、これまで思い出したことをまとめてみる。仲の良かった男の人と女の人がいて、アカネはその男性を好きだったが、多分振られてしまったらしい。趣味は水泳と小説。そして
「男を魅了して止まない、この可愛さ」
とおどけてみせる。先生にそれほど可愛いのにどうして男に振られたんだと突っ込まれ、きっと何か事情があったんだと切り返す。
「なんつうの?ロミオとジュリエットみたいな、許されざる愛とか」
二人は笑ってますが、そのギャグ、多分シャレになってませんw

水夏 ~SUIKA~

一時間ほど電車に揺られて海に到着。早速茜の言っていた穴場に行ってみることに。途中に岩場があって、そこで浜辺が終わっているとみんな勘違いしているため、人がほとんどいないらしい。茜は水着に着がえると、感想を俺に求めた。可愛いんじゃないかと無難な返事をするが、茜は納得していない。例えばどんな?と聞くと
「例えば……透子お姉ちゃんよりセクシーだ……とか」
と言ってきたので
「透子とお前を、比べたりなんかしないんだよ、俺は……」
と返す。しかし、茜の「それ、本当?」と言う言葉に、「ああ……本当だよ」と言いながらも、思わず視線を外してしまうのでした。

水夏 ~SUIKA~

穴場には本当に人がいなかった。二人は思う存分遊んでいたが、沖まで二人で競争した後一息付いていたら、そこに大波が襲ってきた。海面に出てみると、茜の姿がどこにもない。当たりを必死に見回すと、茜のリボンが海面に浮かんでいるのが見えた。急いで泳いでいくと、茜が気を失って漂流している。急いで茜を抱えて浜辺まで戻った。全く返事をしない茜。心臓は動いていたが息をしていなかった。元水泳部だった俺には心得があり、すぐに人工呼吸を始める。茜は意識を取り戻した。心配だから近くの診療所で診てもらったが、どこも悪いところはなかったようです。って、海辺の診療所に老先生ってあの診療所か?

病室へ。また少し記憶を取り戻したアカネ。あの二人の男女と一緒に海に行ったことがあるらしい。そして、自分はやはり嫉妬していたことを。先生は、今日同じ名前の女の子が診察に来たことを思い出して話す。ということは、時間軸的には同じ話ということで確定ですね。アカネと茜の関係がまた分からなくなった。そういえば、前日のSF小説の下りで、タイムトラベラーの話を読んだアカネが、自分はタイムトラベラーで、過去の嫌な記憶を消しに来たんだ、とかおちゃらけていたな。
「たぶん、自分は自殺したんだよ」
アカネは思い出したわけではないが、そう感じていて、記憶が戻ることに恐怖を覚え始めていた。先生はニコっと笑って
「お前さん、この時代にタイムスリップしたのだろう?」
と励ましてくれた。そして、自分を死に追いやった絶望などには負けないと決意するのでした。でも、このゲームのこれまでのパターンからすると、そんな分かりやすい展開でもないと思うが。

水夏 ~SUIKA~

宿の夕食を摘みながら、透子と長いこと付き合っていて、嫌になることはないのかと聞いてくる茜。一度もないと答えると、「そう」と言ってホッとした表情を見せた。しかしその刹那
「お兄ちゃんもね、他の人とつき合ったりした方がいいかもしれないよ」
と、いきなり顔を強張らせて怖い言葉を口にした。その直後にいつもの調子に戻って、何事も経験だとおどけていたが、その言葉の真意を測りかねるのでした。

夕食を済ませて布団を並べる。同じ部屋で一緒に寝るのは初めてのことだった。茜がお風呂に入りに行っている間に俺は先に寝た。何か違和感を感じて目を開ける。背中に何らかの感触があり、シャンプーの香が漂っていた。茜が自分の布団の中で背中にしがみついていたのだ。せっかくだから一緒の布団で寝たいと言う茜。自分の布団で寝ろと促すが、茜も引かない。背中に成長した茜を感じ、俺の体を這う茜の手は恋人の愛撫のようだった。
「ねえ……一緒に寝ようよ」
とうなじに囁きかけられ、思わず快楽を感じてしまう。
「分かったから、離れろ」
と言って、ようやく茜は密着状態から解放してくれたが、恋人相手には無反応だったキカン棒をも解放してしまった。昼間の人工呼吸が自分のファーストキスだったと言う茜に、あんなものはキスじゃ無いと否定するが
「でも……唇に、お兄ちゃんの唇の感触を覚えてるもん」
と言われ、何も言わず自分も唇に手を当てて、その感触を思い出す。
「ーー他人じゃない」
透子の声が耳にこだました。

7月21日

水夏 ~SUIKA~

茜に起こされて目が覚める。旅館をチェックアウトしてまた海へ。俺は気分が悪いからと言って、今日はパラソルの下で昼寝していた。

病室へ。アカネは天井を見つめながら、頭のどこかから響いてくる声に、一心に耳を傾けていた。
「ーーあの人は、どんな食べ物好きかしら?」
「ーー趣味は?」
「ーー誕生日にプレゼントしようと思うの。何がいいかな?」
そんな言葉に、いちいち答えてあげている自分。酷く悲しかった。ふと手首に目がいった。既に包帯は取れている。痛みも取れていた。しかし、手首を眺めていると涙が滲んでくる。手首の怪我が何か重要な意味を持ってるらしいと感じる。気が付くと先生が立っていた。
「自分が治って居なくなったら淋しい?」と問うアカネに
「まあ……そうかもしれんの」
と笑って答える老先生。アカネは今読んでいた小説を途中で読むのをやめることにした。
「また、借りにくるからさ。そのときまで取っておくの」
ええ子や。

夜中に目が覚めた。家に帰ってきていたこともよく分かっていない様子。時計の針は午前四時を示している。トイレで用を足して部屋に帰ろうとすると、廊下に人影があった。見覚えのある顔だったが
「……馬鹿な」
こんな時間、こんな場所に、彼女が居るわけがない。俺はこれは幻覚だと自分に言い聞かせて、また眠ってしまったが、間違いなく透子だろうね。

7月22日

水夏 ~SUIKA~

今日は朝からカルボナーラ。俺が食べるのを嬉しそうに確認してから茜も食べ始めた。いつも、透子がやっていることだったので、思わず二人が似ているなと思い憂鬱になる。茜には茜のままでいてほしいなと。明日は茜の水泳大会なのだが、海にゴーグルを忘れてきてしまったため、朝食の後に買い行くのだという。そんな茜に、夜中に透子がいなかったかと確認するが、茜は笑い飛ばしていた。しかし、俺は茜が顔色を失くした瞬間を見逃さなかった。

体もすっかりよくなって、海辺に出ているアカネ。海を眺めていたら泣きそうになる。人とぶつかって尻餅をつくアカネ。それを両手で支えようとして、怪我していた手首に激痛が走った。病室に戻り先生を呼び出す。
「ーー記憶が蘇ったよ」

透子の部屋へ行き、海で買ってきたお土産を渡す。透子にも夜中のことを聞いてみるが、知らない感じ。その態度には不自然さを感じなかった。

退院するアカネ。また来ることを約束して診療所を後にした。帰りの電車、過去を振り返るアカネ。手首の怪我で、学生生活最後の大会をふいにしてしまったこと。車にぶつかりそうになって尻餅をついた時に、思いきり手を地面に付けてしまい怪我をしたこと。そして、自棄になって、俺と透子の仲を引き裂こうと賭けをしたこと。その賭けに負けたこと。一度に二つの望みを断ち切られ、アカネは自殺を決意した。追いかけてくる俺を振り切って
「ーー運動不足だね、お兄ちゃん」
そう言って俺の目の前で断崖へと身を投げたのだった。せっかく生き返ったのだから、まだ残された可能性に賭けてみたいと決意するアカネ。透子の名前とかも出てきてるので、もう完全に茜みたいですね。

水夏 ~SUIKA~

インポな俺は、遅くならないうちに透子の部屋を後にした。これで茜に対する劣情を知られたら、二人は終わりだなと思いながら
「ーーけれど、僕には茜がいる」
などと考えてしまう。暗い自室に戻ると人の気配がした。茜がベッドの上に座っていた。手首に包帯が巻いてあることに気付く。もう泳げないと言う茜。捻挫したらしい。泣いている茜の涙をそっと拭う。
「お兄ちゃん……」
ベッドに押し倒され横になり、茜がそう囁いた。

水夏 ~SUIKA~

駅に降り立ったアカネ。と、そこに千夏登場。
「……あなたを、助けない方がよかったのかもしれない」
やっぱり後悔してます。そして、過去は変えられない、歩んできた道を崩さないで、と警告して消えた。すると、後ろから聞き覚えのある声に呼び止められた。

水夏 ~SUIKA~

俺はベッドの上で茜にキスされながら絶望を感じていた。
「お兄ちゃん……抱いてよ」
「だ、駄目だ……妹なんだから……」
「そんなの、関係ないよ」
「……………………」
「お兄ちゃん……いいよね?」
と、ここで選択肢。久々の選択肢だな~と思ったら、第三章はここだけかい。で、これがグッドエンドとバッドエンドの分かれ道。理性に負けちゃったあなた、さようなら。というわけで、茜を求めないをチョイス。

どうして駄目なのかと問いかけ、再びキスを迫る茜の唇を押さえつけ
「透子を愛しているから、裏切ることはできない」
ときっぱりと言い放った。茜はしばらく泣きじゃくった後
「良和……私、嬉しい……」
思わずポカーン。茜は頭のリボンをほどき始めた。リボンが解かれると、そこには透子が居た。なんじゃ、そりゃ?

水夏 ~SUIKA~

アカネを呼び止めたのは若林先生だった。ああ……全てが氷解した。若林から語られた真実はこうだ。茜が自殺して鬱っていた俺を救うために、催眠をかけて記憶の改竄を行い、透子を茜だと思い込ませていた。透子が頭に茜と同じリボンを付けているとスイッチが入る仕組み。で、その一連の出来事をまた再現し、今日があの事件の起きた日の再現で、透子と茜のどちらを取るのか?という選択が再び突きつけられることになる。しかし、今回は茜を抱かずに死なせたという罪悪感があるので、どうなるか分からないと若林はニヤっと言った。茜は若林の下心を理解し嫌悪感を抱いている。
「お兄ちゃん、あたしを抱いてね」
家に向かう茜もまた期待感を抱いて笑みをこぼしていた。黒茜がいますよ。

家に入り兄の部屋で聞き耳を立てる茜。そこで聞こえてきたのは
「愛してるわ、良和」
という透子の声。そして二人が愛し合う音が流れてきた。泣きながら部屋を後にする茜。
「さようなら、透子お姉ちゃんーーさようなら、あたしの愛しい人」
え?まさか?と思ったが、エピローグでは、元気に生きてました。

透子から全てを聞かされた俺は、茜が死んだことも思い出して男泣き。そんな俺を抱きしめながら
「あなたには、私が居る……私は、あなたの側を決して離れません。……それじゃ駄目なの?」
と透子が問いかける。俺はヘトヘトになるまで透子を貪った……(家庭用なので自粛)

水夏 ~SUIKA~

エピローグ。俺は若林先生にカウンセリングを受けている。若林が何故そんなことをしたのか、真意を測りかねていた。俺は茜が先生に血液鑑定をお願いしていたことを聞かされていた。その後義父を問い詰め、二人が血の繋がった本当の兄妹だったことを知ったが、若林は茜に嘘を教えていたのだ。俺は、若林が茜の気持ちに歯止めをかけたくなかったためだと疑念を抱いた。そして、カウンセリングはこれで終わりにすると言い出しました。部屋を出ようとする俺に、若林は自分が透子への未練を断ち切れなかったことを打ち明ける。
「ともかく僕は、到底実現し得ないだろう望みを目的に、彼女と会話だけは交わしていた。そんな中で……例の依頼を、彼女に話したのだ。そして、嘘を教えるように言ったのはね……彼女なんだ」
つまり、茜が俺にアプローチするように仕向けた黒幕は透子ってことですね。若林の推測では、それによって茜と俺の関係を決定的に破綻させようとしたとのこと。そして、これが最後のカウンセリングだからと、俺にひとつの言葉を贈った。
「僕は、君が大嫌いだったよ」
どいつもこいつも黒すぎです。

水夏 ~SUIKA~

帰り道、俺と透子は見渡す限り誰もいない小道を歩いていた。
「私たち……ふたりっきりね」
「……………………」
「気が付いてる?辺りに、誰も居ないわ」
「ああ……そうだな」
「私、嬉しい……」
「……………………」
「あなたと私、ふたりっきりで……」
俺は若林の推測が正しかったことを実感した。そして、自分が透子に対して優位に立っていたことが勘違いだったことを悟る。そして、透子の笑顔が、母親が与えてくれることのなかった幼い頃からの渇望であったことを。透子を強く抱きしめながら、自分にも透子しかいないことを実感。
「愛してる、透子」

ふたりだけをその腕に抱いた空の下を。
ふたりだけが呼吸していると思える空気の中で。
ふたりだけの足音を耳にしながら。
僕たちは、どこまでも歩き続けた。

第二章の「実は小説でした」に続いて「実は催眠でした」というオチ。まあ、全ての謎が最後にピタッと綺麗にはまる感じで、こっちは納得できたけど。話としてはかなり面白くて、三つの章の中では一番楽しめた。でも、後味は悪いよな。この世の人間が全員悪魔に思えてくるよ。

つづく
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