水夏 ~SUIKA~ 第一章「水瀬伊月」

水夏 ~SUIKA~ 第一章「水瀬伊月」


水夏 -SUIKA-(元記事)

恋愛アドベンチャーゲーム「水夏 -SUIKA-」をストーリーを追いつつプレイ。話が長くて難解っす。最初のプロローグを最初の主人公である風間彰の話だと勘違いしてましたが、正解は最後の主人公である稲葉宏の話でした。さすがに酷い間違いだったので、プロローグだけは書き直しています。出だしから分かりづらい。


プロローグ

水夏 ~SUIKA~

俺の名前は稲葉宏。両親の別居のため、一年振りに母親の実家のある常盤村に降り立った。そんなところから物語はスタートする。かつて、同じ理由でこの村に住んでいたという荒んだ家庭に育った俺は、趣味だという散歩をしながら、一年振りの村を楽しんだ。妹の通っている常盤総合病院、ひなびた商店街、かつて行きつけだった駅前の食堂……。食堂でラーメンをたいらげた後、俺は神社へと向かった。去年はいなかった巫女さんがやって来て会釈を交わす。その後、草原から海を眺めていると視線を感じ、そちらに振り向くと絵を描いているらしき長髪の清楚な女性がこちらを見ていた。目が合ったが、その女性は慌てて視線を逸らす。

草原を後にすると辺りはすっかり暗闇に包まれていた。そんな中を歩いていると、虫の鳴き声に混じって、「リリン」と風鈴のような音色が鳴り、それが俺の方へと近づいてきた。振り返っても何も見えなかったが、はたと前を向き直すと、そこにはマントをはおった銀髪の少女がいた。声をかけても返事をしない。そしてそのまま闇の中へと消えていった……。俺は追いかけて確かめてみることにした。しかし、全力でダッシュしたものの、結局誰も見つけることはできませんでした。

旅館についた俺は、旅館の女将さんとしばし談笑。お茶っ葉の入ってない急須にお湯を注いだりと、そそっかしい人のようです。そして、親父が死にそうだとかシリアスな話も出てきました。どうやら、父親が回復するか死ぬまでの間、この村に滞在することになるようです。で、それが悲しいのかどうかも分からない。女将さんにさっき会った謎の少女について聞いてみる。マント+銀髪といえば、ジャケ絵の名無しの少女とかいう奴がそれだな。ヘンテコ帽子に鈴が付いてるし。結局女将さんはその女性については心当たりがなかったみたい。夕食後、様々な想いをめぐらせていると、「リリン」とまたあの鈴の音が聞こえた。俺にはそれが、物語の開幕を告げる音にも聞こえた。

突然場面は夜の神社へ。これは夢ですかね?。俺はそこで一枚の短冊を見つけた。それは赤い色の短冊で、他には一枚の短冊もない。そこにはこう書いてあった。
「ーー忘れもの、見つかりますように」
神社というとあの巫女さんのものでしょうか?すると、胸に垂らしていた懐中時計が光りだし、あっという間に辺りが白い光に包まれた。それまで聞こえていた虫の音も消えている。そして気が付けば指一本動かせなかった。声も出ない。金縛りのようです。すると、声が聞こえてきた。
「いや、どうだろう……?声じゃ無い声……?言葉が……。」
といったところで、わけのわからないままにプロローグは終了。

第一章

7月20日

水夏 ~SUIKA~

主人公は風間彰です。この章は過去と現代を行ったり来たりします。おかげで、さらに混乱します。

- 過去 -
電車のシーン。母親と一緒に常盤村に向かっているようです。眠っているように目を閉じてジッとしている母を見ながら、初めて母親の涙を見た時のことを思い出す……

- 現代 -
カラーになる。電車に揺られて寝てしまった俺は、駅員に起こされて終点の常盤村に降り立った。駅を出ると、電車に乗り遅れまいと二人の美男美女が猛ダッシュしてきたが、男が財布を落として小銭をぶちまけてしまった。俺は拾うのを手伝ってあげた。女の方は駅舎の中で
「お兄ちゃん、早く!」
と叫んでいる。兄妹のようですが、普通の兄妹とは違うただならぬ雰囲気を感じ取り、いけない想像をしてしまうのだった。中学の時にも両親の別居でこの村に来ていたが、今回は離婚だったようで、もう元に戻ることはないだろうということです。途中寄り道して神社へと向かう。よく知った石段を上がっていくが違和感を感じる。

- 過去 -
どうやら初めてこの村に来た時の記憶みたいです。道中母親と口論となり、途中で一人取り残されてしまい迷子になり、ようやく辿り着いた先があの神社だったというわけです。回想での神社には手すりがなく、違和感とはこれのことだったみたいですね。精神的な違和感とかかと思ってたよ。

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
ここは仲の良かった二人の女の子とよく遊んだ場所で、また会えるかと期待していたが誰もいなかった。休んでいこうと、しばしこの場所にいると、結構手入れが行き届いていることが分かる。せっかくなので浪人卒業を願掛けしてみたが、鈴が取れてしまった。嫌な予感に苛まれる俺であった……

裏手に池があったことを思い出し行ってみると、そこには掃除をしている巫女さんがいたので、鈴の件を謝罪する。彼女がこの章のヒロイン水瀬伊月です。どこかで会った気がするものの、彼女が自分の幼馴染の女の子だということに気付かない画面の中の俺。どうやらこの彼女、結構な天然系のようです。

水夏 ~SUIKA~

神社を後にすると、今度はメガネっ娘から声をかけられた。
「ええと、私の名前は千夏です。千の夏。いつまでも同じ夏をめぐる者、と覚えてください。」
と自己紹介される。あまり関わり合いになりたくないタイプだ。彼女は先ほどの巫女さんとは知り合いのようです。彼女には待ち人がいるらしく、それが俺ではないかと思って声をかけたらしい。巫女さんが誰なのか気付いていない俺はそれを否定した。

実家というかアパートに着くと、ばあちゃんがお出迎え。ばあちゃんは病院へ出かけると言って出て行ってしまい、一人になった彰は眠りについた。

- 過去 -
両親の喧嘩で悩んでいるので俺の回想かと思っていたら、小夜という妹の話が出てきて、女の子っぽい口調なので、伊月の回想みたいです。つまり、二人は同じトラウマを背負っていたのですね。泣いていたら男の子に声をかけられた……といったところで次の日へ……

7月21日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
母親に叩き起こされて朝飯を食らう。離婚してから母は明るくなった。昼まで英語の勉強をした後、昼飯を求めて外出。神社の前を通りかかり、昨日会った可愛い巫女さんでも拝もうかと神社に寄ってみる。そこで、やっと手すりができたことに気付きました。

- 過去 -
先ほどの回想の俺視点バージョン。迷子になって神社に来たら、女の子が泣いていたので声をかけ
「顔、汗だくだな?」
と話しかけてます。で、その子に家まで案内してもらうことになったが、背後から誰かがやって来て、それを見た女の子が
「あっ……」
と言ったところで、再び現代へ。結構忙しい。

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
俺が境内に入るやいなや
「月に代わって、いぢめますっ!」
と巫女さんが竹箒を振りかざして襲ってきた。どうやら、「水夫とお月様」というアニメのモノマネをしていたところに丁度出くわしたようです。セーラームーンってことね。彰が自分も割りと好きだと言うと、その巫女さんはノリノリになって
「私も大好きなんですよ!あの、作監は、誰が好きですか?」
とか聞いていた。さ、作監……。彼女は重度のアニヲタでした……。その後延々とマニアックな話を繰り広げてます。我に返って謝る彼女。
「いや、楽しかったけど。俺も好きだし。」
「……そう言ってもらえると、嬉しいです。」
「でも、俺は健全に楽しんでるよ」
「え?不健全な楽しみ方なんてあるんですか?」
「いや……知らないならいい。その方が、いい」
何この会話……。不健全な楽しみ方……知りたいですね。で、この後ようやく自己紹介をしたのだが、俺の名前を聞いて彼女の表情が一変した。

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
先ほど後ろから迫ってきた人影は、伊月の妹の小夜だった。双子で顔はそっくりだが、性格は真逆っぽい。おっとりタイプの伊月と男勝りな小夜。その後紆余曲折あって二人に道案内してもらい、警戒心丸出しだった小夜も、俺の畳み掛けるようなジョークの波に屈して最後は心を開いてくれた。それが三人の出会いだった。

- 現代 -
伊月と改めて挨拶を交わす。伊月の家は代々この神社を守っていて、それで巫女をやっているとのこと。で、小夜のことを聞いてみると、伊月は泣き出してしまった。
「小夜ちゃん、死んじゃったの……」
が~ん!。事故があったらしいが、俺はそれ以上は聞くことができなかった。
「ごめんなさい、私……」
と言って伊月は走り去っていった。その事故の原因を作ったのが伊月とか?

神社を出ると千夏にまた会ったが、巫女さんが待っていたのはやっぱり俺だったんだ、と一方的に言って去っていく。
「ふふ、嬉しいんだ。やっぱり、嬉しいんだ。今度は成功……」
と、こちらの呼びかけには応えずに、意味不明なことを呟いてます。やっぱり、やばそうな人です……。「今度は成功」って言葉が引っ掛かりますな。

水夏 ~SUIKA~

家に帰ろうとすると、後ろから誰かにぶつかった。今度は銀髪のマント少女だ。その少女は何事も無かったかのようにそのまま走り去っていった。こいつも謎です。足元にはぬいぐるみが落ちていた。それは黒猫のようで、これがメデスとかいうマスコットキャラ的なやつみたいですね。親切なことに、俺は少女を追いかけて、ぬいぐるみを返してあげることに。呼んでも返事をしないので肩を掴むと、少女は驚いて尻餅をついた。彰はぬいぐるみを少女に返してあげた。メデスの正式名称はアルキメデスでした。お礼を言う少女だったが
「でも……あなた、ボクの事、見えるの?」
とか言ってます。そんな感じはしていたが、やはり霊的なものとかそういう類?
そして
「あなたから……死のにおいがする」
と死の宣告をして去っていった。まさか死神とか?

- 過去 -
今度は伊月の回想。俺を案内した時に、帰りの遅い俺を心配していた母親を見て、小夜ともども羨ましく思っていた。そして、伊月の家ではまた、父と母が喧嘩している怒鳴り声が響いていたのであった……

7月22日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
昨日の伊月の様子が気になって勉強が手に付かないので、伊月に会いに行くことにした。すると、神社の階段から謎の少女が降りてくるのが見えた。追いかけてみるが見失う。代わりにエロ本を見つけた。当然拾う。俺は中を見てみたが、息子の反応も今一つだったらしく捨てた。

神社に入ると、伊月は庭を掃除していたが、別段落ち込んでいることもなかったので、小夜のことを言うのはやめておく。代わりに謎の少女について聞いてみると、確かに神社に来ていたという。伊月にも見えるのか。何も言わなかったが、冷たい視線で伊月のことを睨んでいたそうだ。池の鯉にエサをあげながら、語られる真相。伊月がアニヲタになったきっかけは、俺が昔貸してあげた一冊の漫画だったのだ。その後話し込んでいたら雨が降ってきたので、切り上げて帰る。

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
転校初日から遅刻しそうだった俺は、途中で女の子と衝突する。随分と勇ましい女のようだ。言い合いになりながらも学校へと急ぐ。ホームルームでの自己紹介を終えて、伊月と小夜と話していると、教室にさっきの女の子が入ってきた。名前は小堺という。俺の顔を見るなり突っかかってきて、更には小夜とも言い合いになる。この二人は相当仲が悪いようです。それも、よくある仲がいいほどケンカするという類ではなく、心底嫌っているような……
「じゃ、あとはよろしく。水瀬さん」
放課後、小堺一派はそう言って、伊月に清掃当番を押し付けて帰っていった。仕方なく、小夜も加えて三人で掃除をした。最初の出会いがラブコメの定番パターンだったので、四角関係にでもなんのかと思ったら、小堺って単なるいじめっ子ですか?ここまできて顔グラフィックも一切出てこないしな。

7月23日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
今日も朝から雨が降っていた。俺は勉強そっちのけで伊月のことを考えていた。俺は、常盤村を一度離れてからというもの、もう一度来ようとは思ったことがなかった。その原因となっていたのが、最後の日のわだかまりだったのだと。

- 過去 -
伊月の回想。小夜と一緒に登校してきたら、下駄箱に手紙が入っていた。そして、小夜にそれがバレてしまった。慌ててそれを鞄にしまって教室へと急ぐ。伊月はかなりモテモテらしい。ここで俺が登場。初めてグラフィックが出てきましたが、思ってたイメージと全然違うな。何だか碇シンジそっくりな奴だぞw。小夜が今朝のことを俺に話そうとすると、伊月が珍しく大声でそれを静止した。教室中の視線が伊月に集まった。どうやら、そのことを俺にだけは知られたくなかったみたいですが、何で知られたくないのかが分からない伊月ちゃんなのでした。

続いて彰の回想。この日は小夜が用事があって先に帰ったため、伊月と二人だけで帰ることになったが、机の中に手を入れたまま動こうとしない伊月に業を煮やし、俺は強引に机の中を物色した。例の手紙かと思ったら、真っ二つに引き裂かれた図書室の本だった。また小堺の仕業か。俺は、伊月と小堺の間に何があったのか聞いてみるが、伊月には心当たりはないようだ。とにかく、このままではまずいので、本屋で買って返すことになった。しかし、駅前の本屋にはなかった。取り寄せてもらえばいいと言う彰に、返却日は明日だからと、遠くの大きな本屋まで行くと言い出した。
「規則は破りたくないから」
と変なところは頑固です。俺もそれに付き合ってあげた。帰り道、満月を見上げながらの会話。伊月は月にうさぎさんが住んでいることを信じて疑わないないようです。途中で犬のペスと散歩していた小夜とばったり。三人で散歩することになった。家族の話になり、俺が父と母の仲が悪いことを話すと
「なんだ、それじゃ、あたし達と同じだね」
小夜はそう言って表情を曇らせつつも妙に嬉しそうだ。トラウマを共有したことで、三人の関係はより深くなったようです。

7月24日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
雨で外に出ることもできず、部屋で冷めたチャーハンを食っていたら、ばあちゃん登場。雨が降っていて体の節々が痛いらしく辛そうな様子。そして
「雨が降るとな、思い出すことがあっての……」
と昔話を始めた。しかし、驚いたことにそれは水瀬家についての話でした。こんな長雨が降り続き、それが止んだ時にそれは起こったらしい。
「水瀬さんの嫁さんが消えたのじゃ。それと、娘さんもな」
いきなりサスペンスチックになってきました。消えた娘というのは、明らかに小夜のことでしょう。実家にでも帰ったのだろうとばあちゃんは言っているが、姉の伊月は死んだと言っていたしな。冷めたチャーハンがより不味くなった……

- 過去 -
「う~ん……マズイよぅ。マズイよぅ。」
俺は伊月と小夜にクッキーを強制的に食べさせられる夢にうなされていた。その日の家庭科の授業のせいらしい。起きると教室には誰もおらず、もう下校の時間。昇降口を出たところで、小堺一派に囲まれてどこかへ連れて行かれる伊月の姿を発見した。後を付いていくと、校舎裏でイジメが行われていた。俺は出て行って小泉一派を追い払った。帰り道、俺がいくら話をしても元気のない伊月は無反応で、ほとんど喋ることもないまま二人は別れました……

- 現代 -
伊月に会いたかったが、この雨ではどうしようもない。そこへ電話のベルが鳴った。それは勧誘の電話だったが、電話をすればいいことに気が付く……

- 過去 -
伊月の回想。家に帰り落ち着きを取り戻した伊月は、助けてもらったのにお礼も言えなかったので、俺の家に電話することにした。ドキドキしながらダイヤルを回す……。俺にもそんな時代がありました……(遠い目)
トゥルル……。
トゥルル……。
トゥルル……。

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
トゥルル……。
トゥルル……。
トゥルル……。
伊月の家に電話をしています。しかし、電話に出たのは男性。父親のようです。しかも、電話口でハァハァしてますw。そして、挨拶をして伊月の名前を出した途端
「この野郎!!ふざけんじゃねえ!!ぶち殺すぞ!!」
と怒鳴り始めました。慌てて俺は電話を切ったのだが、その瞬間に受話器から
「伊月はなぁ!!俺がーー」
という叫びが漏れてきた。その先の言葉が気にかかる。DVの匂いが漂い始めました。エロゲ版だとまさか……。いやあ、最初は見た目からしてほのぼの恋愛ゲーなのかと思ってたが、随分ダークな話になってきましたよ。

と、そこへばあちゃんが帰ってきたので、伊月の父親について聞いてみると、嫁と娘がいなくなってからというもの、頭のネジが外れてしまったとのこと。居ても立ってもいられなくなった俺は、雨の中を駆け出していた。神社に伊月がいた。
「どうしてここへ?」
「何というか、伊月の顔が見たくて、ここに来たんだけど」
雨の中赤面し合う二人の男女。雨が降っているのになんでいるのか訊いてみると
「ほんとはね、あんまりお家に居たくないからなの」
と伊月は答えた。父親がいるからであろう。そして、今はモヨ子のことを思い出していたという。モヨ子とは、俺が昔飼っていた猫のことだ。今、伊月が見つめている木の下に死体を埋めたのである。そして
「私ね……思うんだ。死には、二段階あるんじゃないかって」
と言い出した。一段階目は肉体的な死、二段階目はみんなの記憶から消えること。ということ。意味深です。俺もその言葉に心をざわめかされ、危うさも感じています。結局、電話の件には触れることなく二人は別れました。

- 過去 -
伊月から電話があって、母親に呼び出されてた。伊月は俺に今日のお礼を言ってくれました。お礼なんていいよと言うが、伊月は「私には大事なこと」とやけに真剣だった……

7月25日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
今日は雨が止んでいたのでさっさと神社へ向かう。浪人生でしょ、あなた。

- 過去 -
放課後、三人でいつものように帰っている。小夜とドラマの話をしていたが、テレビを見ない伊月は置いてきぼり。そこで、隙を見て伊月の好きな星座の話題を振ると、今度は小夜が話に入ってこれず、痺れを切らして強引に話を戻す。今度は伊月が腕を引っ張って訴える。ここは三人共通の話題に持ち込もうと、今日の放課後に伊月が小堺から掃除当番を押し付けられるのを突っ撥ねた事件を持ち出した。話も盛り上がり、作戦は成功したかに見えた……
「急に何かあったのか?」
と小夜に問われ
「え?う、う~ん……別に、何も……」
と言って、伊月はチラッと俺に目をやって、二人は目を合わせた。しかし、その一瞬のアイコンタクトを小夜は見逃さなかった。最初は否定していたが、小夜は隠し事をされていることをひどく嫌がっている。あまりの真剣さに押されて、例の一件を話すことに。隠していた理由に納得はしたようだったが
「でも、な~んか嫌な気分。あんた達2人だけの秘密ってことか。あたしだけのけ者で。」
と言った後、見たいテレビがあるからと走り去ってしまった。彰には小夜の気持ちが分からなかったが、三人の関係がだんだんと変わっていることだけは分かった……

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
神社に着いたが伊月の姿はなく、取り敢えず、いろいろ探してみることに。しかし、どこにも伊月は見当たらず、待ってみる。そして寝てしまった……

目を覚ますと、伊月が漫画雑誌(なかよひ)を一心不乱に読んでいた。声をかけてもウンともスンとも言わない……

1時間後、本を読み終えた伊月がようやく彰の存在に気付く。最初神社にいなかったのは、神社の裏山に行っていたかららしい。それで、二人でそこへ行ってみることにした。ここは伊月のお気に入りの場所で、何か嫌な事があったときに来るのだそうだ。何があったのか尋ねてみると
「血が繋がっていると……考えも繋がるのかな?」
とまたもや意味深発言。最近自分が考えているようなことを父親が口にするようになったという。どんなことか聞いても、言ったら俺に嫌われるからと今は教えてくれなかった。帰りの山道で、伊月が足を捻ってしまいオンブするというお約束な展開に。昔も同じことがあったらしい。

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
同じように伊月をおぶさる彰。違うのは、その後ろから小夜が付いてきていること。あからさまに嫉妬してます。こうなった顛末というのは、神社の鍵の掛かった倉庫に侵入したが、神主さんに見つかって裏山へ三人で逃げて、伊月が足を挫いてしまったということでした。俺の手付きがいやらしいと文句を垂れる小夜。
「でも、伊月、足はだいじょうぶなの?」
「うん……だいじょうぶかなと思う」
「だったらさ、歩いたら?」
悪魔のようなことを言ってます。で、最後は怒って先に帰ってしまった……

- 現代 -
「小夜ちゃんね、彰くんが、好きだったんだよ」
と伊月がポツリと言った。俺は涙を流した。小夜はヤキモチでいつもああいう態度を取っていたのだが、当時の俺はそれに気付かないふりをしていたとかそんな感じ。

- 過去 -
伊月の回想。どうやら裏山でオンブされた後家に帰ってきたところです。この日の夫婦喧嘩はいつもにも増して激しかった。そそくさと自分の部屋へ逃げ込む伊月でしたが、居間の前を通った時に両親に物凄い形相で睨まれてしまいました。部屋に入り気を紛らわせようと手に取った本は中原中也の詩集だった。その中の一遍の詩に目が留まる
「愛するものが死んだ時には、自殺しなければなりません
愛するものが死んだ時には、それより他に、方法がない」
また、こんな時にそんな鬱な詩を読んじゃいますか。しかし、伊月はこの詩がとても好きで共感しているようなのです。そして、そこから
「愛し合って夫婦になる→夫婦とは愛し合っているもの→自分の両親は愛し合っていないから夫婦じゃない→つまり他人→娘の自分も他人」
という五段論法を駆使して、どうやらこの状況を打破してしまったようですw。他人のケンカなどどうでもいい状態になった伊月は、神社の蔵に侵入した時に持ち出してきてしまった巻物を紐解いてみることにしました。そこに描かれていたのは、女性の死体が徐々に腐乱していく様を克明に描いた作品でした。あまりにもグローで吐き気をもよおしてしまう伊月でしたが、すっかり魅入られてしまって目が離せません。そして、最後の絵を開こうとした瞬間、ふすまがガラッ!

そこには鬼のような形相をした母親が立っていた。有無を言わさず伊月の頬をひっぱたく母。
「あんたが、悪戯するからーー!」
どうやら、ケンカの原因というのが、伊月たちが神社の蔵に侵入した一件だったようです。そして伊月から巻物を取り上げて去っていきました。残された伊月は布団に入って枕を濡らすのでした……

7月26日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
今日は母親にちゃんと勉強しろと咎められたので出かけずに朝からお勉強。

- 過去 -
神社へ行くと伊月がいて凹んでいる。前日の一件のせいである。俺は、伊月の頬にもみじマークがあることに気付き、誰にやられたのか尋ねるが、伊月は頑として答えず
「いいの……。他人に殴られたくらい……」
と母親を他人呼ばわりしてまだ現実逃避しています。俺は伊月を元気付けようといい物を貸してあげると言って家へと戻っていった。

- 現代 -
おとなしく勉強してるのかと思いきや、何故かまた神社へ足を運んでいる俺。そこでは、伊月がまたアニメキャラの真似をして、怪しい動きをしていた。過去の伊月の足は包帯巻きで痛々しかったが、現代の伊月はピンピンしてます。で、ひとしきりアニヲタ談義に花を咲かせた後、伊月があの漫画を貸してもらったのも捻挫した次の日だったことを思い出す。そして、あの日のもみじマークを付けた犯人が母親だったことを告白した。俺が蔵に侵入した時に出てきた神主は、伊月の父親だったのか?と聞いているが、伊月はそれは否定した。そして、あの日足が痛いのに無理して神社へと行った理由を語る。
「小夜ちゃんと彰くんを、ふたりっきりにしたく無かったんだ」
照れて二人して苦笑い。ばつが悪くなった俺は、モヨ子を助けたのもあの日だったと話題転換。

- 過去 -
俺が伊月に持ってきたのは、例のアニヲタになるきっかけとなった漫画でした。そこへ小夜が登場。何やら慌てた様子で
「とにかく、ちょっと来てよ!」
と、俺の手を引っ張っていった。後ろを振り向くと、足の痛い伊月も顔をしかめながら後を付いてくる。その時の俺には、どうして伊月がそこまでするのか知る由も無かった。案内されたのは川だった。川の上をダンボールが流されていて、その中に子猫がいたのである。泳げないという小夜に代わって俺が川に飛び込んで、無事その子猫の救出に成功。後のモヨ子である。

神社で今後について相談する三人。彰の家はアパートだし、伊月と小夜の家の状況では飼えるわけがない。結局神社でモヨ子の面倒を三人で見るという結論に至った。朝昼晩でエサあげ担当を決めたようだが、俺は夜の担当に。ということで夜の神社へと向かうと、そこには伊月がいた。結構いい雰囲気になり、二人で空を眺めていたら、オジャマ虫(小夜)が登場。モヨ子はどうも食欲がないとか、痩せこけているとか、早くも死亡フラグがビシビシ立ってます。そんなこんなで、一週間後に三人で花火をしようってことになったところで次の日へ。

7月27日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
外で昼飯をたいらげて帰宅すると、ばあちゃんから留守の間に伊月から電話があったことを聞かされた。しかし、あの父親がいてはこちらからは電話はできません。勉強を始めるが、ばあちゃんが何か言いたげだったので聞いてみると
「……水瀬さんの娘さん、いつの間に治ったんじゃ?」
とか言っている。俺は捻挫のことかと思い、昨日治ったとか言ってますが、どう考えても何かありそうです。

- 過去 -
この日は約束の花火の日。神社へ着くと二人がいたが、何だか様子がおかしい。てっきりモヨ子が死んじゃったのかと思ったが違うみたい。どうやら伊月が転んで花火を川に落としてしまったらしいのだ。伊月を一方的に責める小夜。俺は泳げない小夜にも責任があると指摘したが
「……でも、あたしの責任だったら、川に飛び込んだかもね」
と言って「ふふん」と笑っている。そんな態度にイラっと来たので
「だいたいお前、もし落としていたのが自分だったら、今とおんなじ風に自分を責めたのかよ?川に飛び込んだ?そんなことしないよな。猫を見つけた時を想像すれば、だ。あのとき神社にオレらが居たかどうかなんて、知らなかっただろ?それでも神社にやって来たんだ。すぐに助けようともしないーー」
と、思わずまくし立ててしまった。我に返って謝ったが時既に遅し。ズボシをさされた小夜は、無表情になって去っていってしまった。追いかけるべきか、伊月のそばにいてやるべきか?伊月のそばにはモヨ子がいるが……。そんな俺の気持ちを見透かしたように
「この子じゃ……彰くんの代わりにならないよ」
と伊月が呟いた。俺の伊月を見る目が180度変わったw。で、結局彰は伊月の元へ残る決断を下したのでした。

- 現代 -
伊月から夜の神社に呼び出された。あの時できなかった花火を二人でやるためだ。花火は儚いから美しい、人も死ぬから美しいと語る伊月。どうしても、そっち方向へ話を持っていきたいようです。そして
「たとえ死人でも……私は、愛したいな」
とか言ってます。まさかの死亡フラグが俺にも立った。そして、あの時の一言は確信犯的なものだったことを暴露。
「私は自覚的に、彰くんの目を、私に向けさせようとしたの。今もまた……自覚的に行動しても、いい?」
と言って目を閉じた。それに応える彰。重なり合う唇。エロゲ版だと、自覚的にティムポを頬張るとでもいうのでしょうか?長い沈黙の後二人は別れた。振り返ると何とも儚げに見送る伊月の姿があった……

7月28日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
彰は参考書を買いに駅前に向かった。すると
「子供からかつあげ……」
という妙なセリフが聞こえてきたので振り返ると、駅舎の前で座り込んでいる女の子がいた。その子の前にはいろんな物が並べてある。
「ガレージセールでもやってんのか?」
と聞いてみると。
「……車庫ならいりませんよ」
とその女は答えた。こいつも天然系ですか。どうやら、ただポケットの中身をぶちまけただけのようですけど、その中に「幸せ家族計画」が混じってますw。で、全部10円だと言い出す女。服は何か薄汚れているし、かわいそうな人かと思って、あめ玉とビー玉を買ってあげた。

その後、参考書を買って本屋から出ると、怪しい中年男が通りかかった。脂ギッシュな髪の毛に、カビのような無精ひげ、目は血走り、食いしばっている歯は黄ばみ、洋服はしみだらけ。足元もおぼついていない。恐らくは、この男が伊月の父親なんでしょうな。さっきの女の子をかつあげしたのはコイツか?

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
伊月の回想。小夜はあの一件以来引き篭もってしまい、モヨ子の昼のエサも伊月が担当するようになった。相変わらず食欲はない。と、そこへ俺が登場。俺が小夜の名前を口にするだけで嫉妬してしまう自分に嫌悪感を抱く伊月。この後、買ってきたリードを付けてモヨ子の散歩に出かける。伊月に貸してあげた漫画の感想を聞くと、漫画の読み方が分からず、文字だけ先に呼んでしまうので内容が分かりにくいんだという。そんな伊月ちゃんも、今では立派なアニヲタに成長しました。

散歩から戻ると、神社に小夜が現れた。
「悪いけど……伊月はちょっとどっかへ行っていてくんない?」
と、伊月と目を合わせようともせずに追い払う。おずおずと神社を出て行く伊月でしたが、どうにも気になって、林の方から境内に戻ってそおっと覗きます。しかし、何を話しているのかはわかりませんでした。

- 現代 -
神社へ行ったが伊月はおらず、待つこと一時間。社の裏手から誰かが走って来た。見に行くと、その人物と衝突してしまう。その人物は駅前であったあの怪しい男でした。手には土の付いたスコップが握られている。まさか死体遺棄?男はそのまま鳥居のほうへ向かって去っていった。

それに続くように伊月が現れる。さっきの変質者のことを話したら、やはり伊月の父親だったようです。その後、伊月に誘われて裏山へ。手を繋いで海を眺める二人。しかし、そんな爽やかタイムは長く続かなかった。
「骨をね……」
爽やか気分を打ち消したのは、そんな伊月のグロワードだった。どうやら、父親が土を掘り返したら骨が出てきたんだと。それも人の。死体遺棄じゃなかったのでホッとしたのも束の間
「頭の骨がふたつ……ひとつは、お母さんの骨。そして、もうひとつが……小夜ちゃんの骨」
ぐはっ!!。そして伊月は、母親の骨があるのは分かるけど、小夜の骨がそこにあることに疑問を持っている。
「だって、お父さんが犯人じゃ無いってことは、私が誰よりも良く知ってるから……」
どうやら小夜は事故ではなく殺されたらしい。誰に殺されたのかという問いに、伊月の口から出てきた名前は
「彰くん」
なんぞそれ?更に
「小夜ちゃんに、会わせてあげる」
と言ってそのまま消えてしまいました。

よく分からないので整理してみよう。この言い方からすると、母親を殺したのは父親っぽい。小夜を殺した犯人は俺だと言う伊月だが、当然、身に覚えは無い。小夜の死を良く知っているということは、伊月はその場に居合わせている?つまりは伊月が殺した?彰が殺したというのは、彰への想いがそうさせたという意味?何だか盛り上がってまいりました。

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
神社で俺は、小夜の宝物をモヨ子の首輪の裏にセロハンテープで貼り付けている。何でこんなことをしているかというと、例の伊月を追い払って小夜と彰が話していた内容と関係がある。あの時、小夜はゲームを提案した。それは小夜の宝物を俺が隠し、三日以内に見つけられれば小夜の勝ち。見つけられなければ俺の勝ち。勝ったほうは言うことを一つ何でも聞くという賭け。それを呑めば、花火の一件を水に流すというので、断るに断れなかったのだ。と、そこへ伊月と小夜が登場。どうにもモヨ子の様子が気になって来たらしい。心残りながらも暗くなってきたので帰る。

伊月の回想へ。さっきの続きです。俺と別れた水瀬姉妹ですが、会話がありません。と、そんな静寂を伊月が破る。俺と小夜が二人で話していた会話が何だったのかを聞きますが、二人の秘密だと言って小夜がニヤニヤしてます。伊月は生まれて初めて本気で小夜が憎いと思ったのでした。更に
「たぶん、彰の事が好き」
と、小夜から宣戦布告。激しい焦燥感にかられる伊月だった。伊月犯人説が信憑性を帯びてきました。

- 現代 -
先ほどの伊月の言葉の意味が分からず外に出る。すると、同じアパートの住人と出会った。挨拶を交わすが何だか急いでる様子。名前をまだ聞いていなかったので呼び止めたら、その男性が持っていた紙袋からジュースが落ちてしまったので拾ってあげた。結局名前を聞かないまま謝って別れました。

7月29日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
今日は伊月に会うのが怖くて、家で珍しくお勉強。

- 過去 -
降りしきる雨の中、三人は佇んでいた。その足元には冷たくなったモヨ子がいた。泣きじゃくる伊月の顔を胸元に寄せる小夜。久々に見せた美しき姉妹愛だった。その後、モヨ子の亡骸を木の根元に埋めてあげた。多分、首輪に隠した小夜の宝物と一緒に。これが、後々のわだかまりってやつの発端にでもなるのでしょうか?。そして、俺は自分の感情に違和感を感じている。モヨ子が死んだことよりも、伊月が悲しんでいることが悲しいんだと。

伊月の回想へ。モヨ子が死んで三日後です。雨にうたれたせいでしょうか、伊月は熱を出して寝込んでいます。優しく看病してくれる小夜に、伊月は謝ったが、小夜は当たり前のことだと謙遜している。しかし、伊月は、一瞬とはいえ小夜のことを憎んでしまったことを、どうしても謝りたいのでした。小夜がいなくなった後、トイレに行こうと部屋を出ると、珍しく上機嫌の母親がいた。そして、母親はいいものを見せてあげると言って、以前伊月から取り上げた巻物を見せた。その絵の女性は徐々に腐乱して最後は土になるのだが、これにはまだ続きがあるのだという。その先を開いていく母。そして、土は再び美しい女性へと戻っていったのでした。母親は、これさえあれば、年をとって醜くなっても元の美しい姿で甦ることができると言って、高らかに笑っている。完全に逝っちゃっているようです。
「どうしたら?」
という伊月の質問に
「あんた達が可愛がっていた猫、死んだらしいわね?」
そして、真顔になって
「死になさい。」
更に
「死ねば、その魂が使者に移るかもしれないわよ。愛しているのなら、なおさらね。」
と言って高笑いしながらどこかへと消えていった。しかし、そんな正気とも思えない言葉に、中原中也の詩を思い出して共感してしまう伊月なのでした。

慌てて着がえて雨の中神社へと向かう伊月。そして、モヨ子の墓に異変を感じ、一心不乱に穴を掘る。そこにあるべきものはなかった。思わず失禁してしまう伊月。伊月はモヨ子が本当に甦ったのだと思い込んでいるようです。目が眩み倒れそうになったところで
「伊月か?小夜か?」
と、俺らしき人物が声をかけてきた……

7月30日

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
問題をはっきりさせようと、今日は神社へと向かった。境内に伊月の姿はなかったが、裏山にいた。伊月は一本の汚い棒を差し出した。どうやら、例の怪しい巻物の成れの果てらしい。骨を掘り出した時に一緒に埋めてあったみたいです。そこで、俺はそのことを警察に言うべきだと訴えた。母親のことはいいが、小夜のことは警察に伝える必要がないという伊月。母親を殺したのはやはり父親だったようだ。しかし
「小夜ちゃん、もうすぐ蘇るもの……」
とか言っている。死人が生き返るわけないと説得する俺だったが
「ここに、生きた証拠が居るもの」
と伊月は言ってのける。伊月によると、自分は何度も父親に殺されてるのに甦っているというのだ。どういうこと?
「私が死ねば、小夜ちゃんは蘇る」
そして、さよならを言ってほしいから今夜会いたいと言い残して去っていった。俺はしばし呆然とそれを見つめ、慌てて追いかけたものの、もう彼女の姿はどこにもなかった。

- 過去 -
モヨ子が死んで三日目。俺は夜雨の中を神社へ向かっていた。モヨ子の首輪に付けたままの小夜の宝物を取り戻しに行くためだった。スコップでモヨ子の死体を掘り返すが、そこまで克明に描写しなくてもいいだろと思うほどのグローな描写です。で、川でモヨ子の死体に群がっていた虫を洗い流して、どうにか宝物をゲット。しかし、モヨ子の死体は川に落としてしまい、そのまま放置。犯人は俺だったのか。

神社へと戻り、土を元に戻して帰ろうとしたが、神社の石段に誰かがいるのに気付いた。伊月だった。伊月はまるで夢遊病者のような表情をしている。全身ずぶ濡れだったことも俺に指摘されるまで気付いていなかった。伊月を傘に入れてあげたら、伊月は突然抱きついていた。そして、くすっと笑って
「嬉しいな……」
と言ったかと思うと意識を失ってしまった。かなりの高熱を出していたので、俺は伊月を抱き抱えて走り出したのでした。

- 現代 -
俺は伊月との会話を思い出して悩んでいる。
「死者が蘇るだとか、そんなふざけた考えを伊月に植え付けたのは、いったい誰なんだ?」
と怒っているようですが、それはあなたです。と、そこへばあちゃんが登場。俺のことを嘘つき呼ばわりし
「水瀬さんの娘さんじゃ。まだ、治っとらんじゃないか」
とか言っている。どうやら、どっちのことか分からんが、水瀬さんの娘は、病院で意識不明のまま数年間も眠っているというのだ。植物人間ですか?小夜はまだ生きている?

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
母親から、父と寄りを戻すから明後日に東京へ帰ると宣告される。突然のことに、雨の中を傘も差さずに家を飛び出した。神社へ来てみると小夜がいた。事のついでに先日必死の思いで奪還した宝物を渡す。で、うやむやのうちに例の宝探しゲームは小夜の勝ちということになってしまい、仕方なく小夜の望みを聞いてあげることになった。小夜は頬を赤らめながら
「あたしに……キスしてよ」
と言って目を閉じる。好き合ってもいないのにできないと言う俺に
「あたしは……彰の事が好き」
とマジ告白。それに対し
「悪い……でも、オレは……」
と答えてはみたものの、その先の言葉は続かなかった。小夜はとりあえず納得したが、まだ先は長いから諦めないと言ってポジティブに去っていった。先はもう長くないのに……

- 現代 -
病院に急行した俺は、病室を目指して駆け上がっていった。

- 過去 -
伊月の回想。気分も良くなり、久々にお風呂に入った後、蘇ったモヨ子に会えるかもと神社へ向かった。モヨ子はいなかったが俺がいた。しかし、俺はいつもと違って元気がない。どうしたのか聞いてみると、東京へ帰ることを告げられた。泣きじゃくる伊月。その後、独りになりたいと言って俺はどこかへと行ってしまった。家に帰った伊月は、小夜にもそのことを伝える。小夜の提案で、最後に何かプレゼントをしようということになり、二人で花輪を作ろうという話になった。

彰の回想へ。小夜から電話があって、渡したい物があるからと、引越しの日当日の朝に三人で神社で会うことになった。

- 現代 -
俺は周りの目など気にも留めず、病院の廊下を猛ダッシュしていた。病室のネームプレートを見たせいだ。どうやらそこに書かれていた名前というのは「水瀬伊月」だったようです。生霊なのか?と疑心暗鬼な俺は、真相を確かめるべく伊月の家に向かっていた。

水夏 ~SUIKA~

- 過去 -
伊月の回想へ。神社で花を摘む姉妹。家では両親がケンカしているので、神社の社で花輪を作ることとなった。しばらくして小夜が、小堺が伊月をいじめていた理由について突然話し出した。その理由とは、小堺の好きだった男子を伊月がフったからというものでした。そんなことを急に言い出した小夜に不安を覚える伊月。その後、花の選定を終えた小夜が、伊月が彰のことをどう思っているのか聞いてきた。黙っている伊月に、だったら自分が決めちゃうからと言って、しばらく沈黙した後
「……伊月は、彰の事を何とも思っていない」
と勝手に決定してしまいました。否定することもできない伊月をよそに、何事もなかったかのように作業を続ける小夜。伊月は花輪作りに集中できないでいたが、小夜がジュースを買いに出て行った間に何とか完成できた。

完成した花輪を持って家路に着く二人だったが、ふと思い出したように小夜がこう切り出した。
「どっちが、この花輪を彰の頭の上に乗せる?」
今回はさすがの伊月も引かなかった。
「どうして!?伊月は別に、彰の事好きじゃ無いんでしょ?あたしに譲ってよ!」
と懇願する小夜に、ゆっくり首を振る伊月。そして
「私も、好きなんだ」
と遂に自分の気持ちを打ち明ける。こうなるとそこにいるのは双子の姉妹ではなく、二人の女。泥仕合と化して行きました。そして、小夜が最終奥義を繰り出した。
「あたしは、彰とキスしたんだから!」
恐らく、伊月の頭の中でエコーがガンガンかかっているものと思われます。花輪を持って走り去る小夜を無心で追いかける伊月。気付くと石段の下で小夜が倒れています。ピクリとも動かず脈もないようです。やっちゃいましたか……。神社の石段に手すりができたってのはこの一件があったからなんですね。

「愛するものが死んだ時には、自殺しなければなりません」あの詩の通りに自殺を決意する伊月。自分が死ねば、小夜が蘇る。モヨ子のように。そう思いながら神社の前で立ち竦んでいると、背後から人の気配が。それは伊月の父親でした。しかも、肩には母親を担いでいます。こっちもやっちゃいましたか……。父親は暗いからなのか、錯乱状態だからなのか、目の前にいるのが伊月か小夜か判別できていないようですが、見られたからには生かしておくわけにはいかないと、持っていたシャベルを振り下ろした。
がんっ!
がんっ!
シャベルは容赦なく何度も叩きつけられていく。え?殺されちゃった?

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
伊月が禊をしている。そんなサービスシーンを邪魔する俺。

水夏 ~SUIKA~

二人は月夜の下で抱きしめ合い、キスをし、そして愛し合った(家庭用なので自粛)。
「最後に彰くんとこういう風になれて……私、とても嬉しい……」
まだ死ぬ気なようです。そして
「小夜ちゃんを殺したのは、私なんだもの」
と衝撃告白。しかし、俺は伊月は死ぬことなどできないと言ってやった。そこで病院の話を持ち出した。狼狽する伊月。俺はここで、自分の推理を披露した。病院で伊月の名前を見た時、一瞬今まで会っていた女性は小夜が伊月の振りをしていたのかもと思ったが、それは違うだろうと。双子のどちらかは確かに死んでいるし、病院には伊月がいる。つまり、今目の前にいるのは伊月の生霊であると。

水夏 ~SUIKA~

ここで伊月がその推理の穴を突いた。その伊月なる人物を病院に連れて行ったのは父親であるはず。しかし、その時父親は姉妹の判別ができていなかった。病室にいる伊月なる人物が本当に伊月なのか?と。論破され反論できない俺。俺も伊月の父親が姉妹の区別が付いていなかったことを知っているようです。
「小夜ちゃん……生きていたんだね……」
それに対し、伊月かもしれないと言う俺の言葉がむなしく響く。どうやら、伊月は自分が霊であるという自覚がないまま過ごしていたようですが、ようやく自分が死んでいるということに気が付いたようです。俺にしがみつき泣き出す伊月。
「私も、あなたが好き……。誰よりもあなたが好き……」
ずっと伝えたかった言葉を俺に伝えると、体が消え始めた。
「やっと言えちゃったんだね……」
この世に残した未練を果たし成仏していく伊月。俺の目から不意に涙が溢れ出し、地面に伏して男泣き……

- 過去 -
俺は約束通りに神社へと出かけていく。その日は久々に青空が広がっていた。

水夏 ~SUIKA~

- 現代 -
エピローグです。暑さに文句をつけながら勉強しています。随分吹っ切れているようです。ばあちゃんから伊月の父親が自殺したことを聞かされても、妙に他人事。
「愛する人が死んだなら、死ななきゃならないんだよ。……俺が教えてやったんだ」
そういって出かけてしまいました。俺がそれをあの親父に吹き込んで、それで自殺したってことか?

駅前で不意に女性から声をかけられた。いつまでも同じ夏をめぐる者「千夏」であった。で、突然謝ってきました。二つの思いを成就させたために、俺には辛い思いをさせてしまったということだそうです。二つの思いとは、「彰とむすばれること」「小夜を蘇らせること」。結局詳しいことは話さないまま、千夏は去っていってしまったが、霊のお悩み相談員とかそんな感じの人なんでしょうか?

水夏 ~SUIKA~

もう用はないはずだが、何となく神社へと足を運んでしまった。賽銭箱の前に座って、かつて伊月から届いた手紙を読み返す。どうやら、俺は病院に行った後に伊月の家に行き、そこで錯乱した父親から何とか話を聞いて、病院にいるのが伊月だとは限らないことを知ったみたいですね。で、死んだのが小夜であることを願っていたようです。自分でも酷い奴だと自覚してます。と、そこへ
「ーー彰?」
と女性が声をかける。一瞬伊月だと思って驚く。髪が伸びて伊月そっくりではあるが、声からして小夜のようです。復活したんですね。しかし
「……じゃ、無いかな?んなはず、無いか」
と否定する小夜。俺も
「俺がその……彰って奴に似ているのか?」
と別人の振りをしてます。まあ、さすがにこの二人が結ばれるなんてオチはないか。身の上話をしゃべる小夜ですが、随分と角が取れた感じで好感が持てますがね。俺は名前を聞かれたが、裏の池の鯉にしばらくエサをあげてなくて心配だから見てきてと言って、小夜が見に行っている隙にその場を立ち去っていった。でもこんな狭い村じゃすぐバレそうですけど、まだ、何かあるんでしょうか?

- 過去 -
俺は東京へと帰る電車の中でブンむくれていた。理由は伊月と小夜が約束を破ったからに他ならない。母親から手紙を渡された。今日の朝届いたものらしい。差出人は伊月。母親が寝たのを見計らって封を開ける。そこには三行の短い文章が綺麗な字で綴ってあった。

約束を破ってしまってごめんなさい
あなたに、伝えたい言葉があるんです。だから……
きっと、もう一度会いましょう

つづく
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